常陸太田市上宮河内町・赤土町
民泊受入推進検討会 開催


  ■ 茨城県の民泊受入体制の現状 常陽ネット2011.1023より
 
   最初は、小学校の長期宿泊体験活動を推進する「子ども農山漁村交流
  プロジェクト」という国の事業だった。

   農家民泊などの対象地域に県北地域が指定されたことで、茨城県

  2008年6月から受け入れ体制の整備に乗り出し、常陸太田市の里
  美地区に民泊受入れ団体「里美山村交流会」(農家42戸)が設立さ
  れた。

  同年9月から農家民泊の受入れを始め、2009年までの2年間に
  県内の城里町、つくばみらい市、潮来市などから363人の小学5、
  6年生が訪れた。

           ◇

   2010年7月には、大子町に民泊受入れ団体「大子町子ども田舎体
  験推進協議会」(農家39戸)が設立された。

  201010月、発足したばかりの大子町に、水戸市の私立リリー
  ベール小学校4年生62人が、2泊3日で訪れた。
  民泊先は佐原地区と池田地区の25世帯。

   さつまいも掘り、手もみ茶体験などの農作業、りんごジュース作り、
  ケーキ、おやき作りなどに挑戦し、民泊した家庭と交流を深めた。

   2010年はほかにも県外から常陸太田市の里美地区に、横浜市立小
  学校年生の66人が、4泊5日の農家民泊に訪れた。

  茨城県地域計画課によると、2010年度の体験型教育旅行(農家民
  泊)の受入れ者数は、横浜市立小学校のほか、牛久市立小学校、神栖
  市教育委員会(小学生)など、910人。

  

    2011度は、東日本大震災や原発事故の影響で、受け入れ校は3校
  (135人)に減少したが、9月までに常陸太田市、大子町を1051人
  が訪れるなど、既に昨年の実績を上回る人気ぶりだ。

   更に、2012年度中に旧十王町の高原地区においても,受入組織の
  設立を目指している


  ■ 上宮河内町・赤土町において農家民泊受入に向けて
     
            ● 受入推進説明会開催 ●
     
     参加者 
     地  元 上宮河内町・赤土町より23名(女性8人)
     茨城県  地域計画課 県北推進室 安藤伸之 室長補佐
              〃       戸祭峰之 主査
     財団法人グリーンふるさと振興機構 生天目次長・宮田参事
     JTB関東 法人営業水戸支店 加藤琢也さん
     アドバイザー LSプランニング 代表 長坂克巳 
     
清泉女子大学 講師 伊藤達男さん
  
      日 時 2012年11月24日(土) 19:00〜

      場 所 かなさ笑楽校(金砂小学校廃校跡)           

       ※ 開催案内には、「当日は奥様同伴でお出かけください」と表記され
         ていました。
         これを見るだけでも、気の入れようが分かります。


   
上宮河内町 町会長 菊池さん  菊池さんより 審議の発言 
   
熱心に聞き入る参加者の皆さん 
女性が8人も出席 頼もしい 
左より 
 茨城県北推進室 戸祭主査、
 グリーンふるさと振興機構 生天目次長 
 茨城県北推進室 安藤室長補佐
   
説明 
グリーンふるさと振興機構 宮田参事
説明
里美地区で受入をされている代表者 と
伊藤 講師 
   内容
    1 「農家民泊受入の推進等について」の説明

      財団法人グリーンふるさと振興機構 参事 宮田孝之さんより
   (1)ツーリズムの動向

        旅行におけるお客様のニーズが多様化してきており、名所旧跡、
     観光施設などを巡る物見遊山的なツアーから、観光地域の伝統
     産業や生活文化を体験してもらうなど、地域ならではものの観
     光へ変化してきている。


        見る・食べる・遊ぶ ⇒ 体験する・交流する・学ぶがキーワード。

    茨城県を見た場合、全国魅力度ランキング46位と名所旧跡
   的な魅力は低いが、体験交流型の視点で捉えた場合、素材的魅
   力は高い。

    茨城県北としての観光の魅力は、名所旧跡的な観光で勝負す
   るのでなく、地域の固有の素材を活用した体験交流型観光を推
   進すべきである。


   (2)茨城県の魅力と方向性
 
        体験交流型の視点で捉えた場合は、素材としての魅力は高いも
     のがあり、特に教育旅行においては全体の9割程度の学校が体
     験学習を取り入れている。

    首都圏の教育関係者の意見として、長野、福島、新潟で体験を
   行ってきたが、移動時間が長いとの指摘も多く出てきている。

   教育旅行における体験は、民泊や自然・文化体験などを重要視
   しており、受入態勢を整えることが出来れば、首都圏からのア
   クセスが良い茨城は魅力が高く、地域振興に繋がる可能性は高い。

      1)教育旅行とは
         修学旅行、宿泊学習、遠足など学校行事として行う旅行。
      2)学校が求めている農山漁村体験の条件とは

         @ 農林漁家民泊など本物の田舎体験ができる。
         A 農業体験や自然体験などのプログラムが豊富である。
         B 荒天時の対応プログラムがある。
         C 受入・調整のための機能(窓口)がある。
      
D アクセスが良い。
       
        新潟、信州、福島に比べて、同じ体験が出来、さらに首都圏
     からのアクセスが良いことが大きなセールポイント。

   (3)農林漁家民泊とは
     1)農林漁家民泊の目的
 
         家庭や地域における教育力の低下を背景に、子どもの自然
      ・生活体験不足が懸念されていることから体験学習型の教育
      旅行が増えてきている。

   中でもありのままの農林漁家への民泊体験を取り入れたい
   という学校が増えており、農村漁村においても地域活性化の
   方 策であるグリーンツーリズム活動の一環として受け入れる
   地域が増加している。


     2)農林漁家民泊として受入を可能とする条件

      ・教育旅行である。
        ・市町村等自治体が加盟している地域協議会を設置している。
      ・農林漁家民泊を実施する農林漁家は事前に地域協議会に加
       入していること。
   
  ・受入をする農林漁家は、地域協議会等が行う安全と衛生管
       理、防災のための研修会を受講すること。

      ・生徒等の食事は、生徒等が自ら調理するもの、又は農林漁
       家と共同で調理し、一緒に食べるものとし、食事の提供は
       しないこと。


    3)農林漁家民泊の対価 


   ・宿泊料としての名目では受け取らない
   (体験指導の対価として収受)


   ・対価等のやりとりは、学校(取り扱い旅行会社)と地域協議
   会、地域協議会と農林漁家とがそれぞれするものとし、学校
   と個別の農林魚家との直接的な金銭収受は行わない。

 

 区分  内容
 指導の対価として含む
    ことが出来るもの

・消耗品費(体験のための材料費)
・体験指導に係わる人件費
・収穫農産物価格
・体験指導に要する諸経費

 収受できないもの  ・宿泊のための経費
 (宿泊料の名目は不可)
・生徒等の送迎のために要する経費
・その他儀礼的な経費
   4)農家民泊の効果について 

  〔地元住民に活力をもたら効果〕

  ・田舎と都市との交流が作られる。
  ・子どもたちとの交流により、活気と生きがいに繋がる。
  ・将来の就農や田舎暮らし予備軍が育つ。
  ・地域貢献への意識や連帯感が生まれる。

       〔地域への経済波及効果〕

 ・受入民泊に対し、1泊一人あたり@5,000円程度の支払い
  をしており、宿泊施設とのセットで受入をすれば、地域
  に対する経済効果も期待できる。

 ・受入後も農産物オーナー制度等の繋がりも期待できる。

    5)農林漁家民泊受入について 

      ・1軒あたりの受入人員は、2〜4名程度。
    
・特別なおもてなし(料理など)は必要ない。
    ・ありのままの家庭・家業を体験してもらうことを念頭におく。

    ・特別な体験メニューを考える必要はなく、「普段の家業の体験」
     でよい。

    ・お風呂やトイレ等を改修は不要だが、ボットントイレは不可。
    ・万一の事故に対する保険は、事務局(現在はグリーンふるさと
     振興機構)が、一括でグリーンツーリズム保険に加入。

    ・衛生面や安全面などの対応については、研修会を開催するなど
     の対応をとる。

       ・受入をしていただく時期は、5〜7月、9月〜10月ですが、
      繁忙期については配慮する。

       ・登録をしたからといって、必ず受入しなければならない訳では
      なく、最終的には各家庭の判断を優先する。

  2.民泊受入における現状と学校が求めるもの等について説明
   
   有限会社LSプランニング 長坂克巳
   (1)学校が求めるもの
     1)安心・安全 
       何と言っても、先ずは、安心安全 

       @ 県の民泊受入指針が出されている。
         茨城県は指針が出されていないので、問題があると指摘。

       ⇒ 戸祭主査より、2012年度中に、指針の基本が出され
         る予定との、嬉しい発言があったので、安心しました。

       A コンプライアンスが遵守され、安全対策が万全である。
       ⇒ 今後、食品衛生管理、防火管理、緊急連絡先いろいろな
         観点から検討しなければならない事項がある。 


     2)ふれあい・交流 

       体験もさるこさながら、家庭の方々との交流が重要という、
       学校・先生のご意見が多々聞かれる。
         
     ◎ ふれあいを重視する
       @ 各家庭の受入人数は3人を原則とする。
       A 家族の一員として、お客様扱いはしない
       B 食事は家族と一緒に作り、食べる
       C 第二の田舎と思ってもらえるように心がける
 
 
       3)ありのままの家業、自然体験 

       @ 原則として家業を体験してもらう
       A 地区ならでは体験では、クラス単位などの体験でもよい
       B 食材は、地元産のものを極力使用する。
 
 
       4)付帯的な効用 
       高齢者夫婦の家庭では、学生の受入をすることで、生活のリ
       ズムに弾みがつき、元気が出る。
 
   3 旧里美村の徳田地区で, 10年間清泉女子大学生を民泊で受け入れた
   体験談


   
清泉女子大学 講師 伊藤達男さん
     清泉女子大学の学生がフィールドワークの一環として5日間から9日間
     旧里美村徳田地区に民泊しながら、お祭りに参加したり、地元の活性化
     のミーティングに同席したり、地区の皆さんや地元に在住して地域おこし
     協力隊としてお手伝いをされている清泉女子大学の先輩たちの「ルリエ」
     のメンバーと の交流を深め、里美でのさまざまな体験を通して、今ま
   での生活を改めて見つめ直し、新しい価値観を見いだせた貴重な経
   験の積み重ねをしてきた、歴史のお話。


     今後も続けてゆきたいとの   
   ◇ 常陸太田市と清泉女子大学との結びつき           
  茨城県常陸太田市 地域力向上へ20代女性が活躍 
     
     常陸太田市 政策企画部長 佐藤 啓 (常陸太田市 ホームページより)
     地域おこし協力隊 チーム名:Relier「ルリエ」
    (フランス語で、つなぐ、結ぶという意味)
  

     常陸太田市では、急速な人口減少の進行に伴う地域の活力低下など
   の課題に対応するため、平成23年度に3名、平成24年度に2名を
   「常陸太田市地域おこし協力隊」として委嘱した。

5名はいずれも、東京都品川区に所在する清泉女子大学出身の20
 女性で、茨城県内では初となる地域おこし協力隊として、旧里美村
 地域及び旧金砂郷町地域を中心に、地域力の維持・向上に向け活動
 している。

     ◎  これまでの主な取組みと成果
        協力隊は、市が設定した3つの目的のもと活動しており、その主
     な取組みと成果は以下のとおりである。
 
     (1)地域資源の発掘と市内外への情報発信  
          市や地域住民との協働により、地域資源を調査し、地域資源
      マップの作成を支援するとともに、ブログや市広報誌等を活用
      し市内外へ広く発信した。また、地域の伝統的な家庭料理に着
      目し、地域の女性の協力を得ながら、旬の食材を活かしたメニ
      ュー「里美御膳(冬季版)」の考案やレシピ化に取り組んだ
。 
     (2)交流人口拡大 
          「つなぐ会」(清泉女子大学の卒業生を中心に組織され、地
      域間の人・もの・情報を「つなぐ」ことで地域活性化に貢献す
      ることを目的とする任意団体)と連携し、同会主催のフィール
      ドワーク、同会会員等都市住民を対象とした里美料理教室ツア
      ー、「里美御膳(冬季版)」試食会ツアーの開催・支援等を行
      った。
 
     (3)その他地域コミュニティ支援など地域定着に係る取組み 
          地域内の若者有志に呼びかけ、「里美の夢を語ろう会」を立
      ち上げ、地域が目指す今後の方向性について議論・意見交換を
      行うとともに、その内容を踏まえ、地域内の農家・商店・施設
      等がそれぞれの個性を活かして地域の魅力を発信するイベント
      「里美の日」を定期的に開催している。
 
    ◎ 取組みのポイント 
     (1)清泉女子大・つなぐ会との連携 
          活動の拠点地域の一つである旧里美村地域では、平成15年度
      より毎年、夏休み期間中、1〜2週間にわたり、地域内の有志
      が、清泉女子大学の学生を10数名受け入れ、農業やホームス
      テイを体験させる取組みを継続的に行ってきたことで、地域と
      同大学との間の信頼関係が築かれていた。
 

          こうした背景のもと、平成22年7月に、先述した任意団体
      「つなぐ会」が発足し、地域おこし協力隊候補者の推薦、隊員
      への助言・指導、活動支援などを同団体が行い、協力隊の活動
      の円滑化が図られている。

     (2)市内外への定期的、積極的な情報発信 
          情報発信に関しては、重点的に取り組むこととしており、ブ
      ログやフェイスブック、ツイッターなどを活用し、写真を効果
      的に取り入れ、地域の魅力を発信している。その他にも、茨城
      県の協力のもとインターネットテレビ「いばキラTV」への出
      演や、テレビ、新聞等マスメディアの積極的な活用に努めてい
      る。
 
      (3)地域内ネットワークの形成

           協力隊の呼びかけにより始まった「里美の夢を語ろう会」
       や「里美の日」、これらの取組みの継続により、地域住民の
       やる気が後押しされた。

    本年7月には、地域住民自らの企画・開発による「里美珈琲」
    が発売されるなど、徐々にではあるが、地域住民の主体性が
    育まれ、地域活性化の基盤となる地域内ネットワークが形成
    されてきている。

    今後は、市としてこれらの取組みをさらに継続・強化できる
    よう支援するとともに、これまで協力隊が担ってきた事務局
    としての役割を地域に根付かせるなど、持続可能な地域づく
    りの推進が重要となる

 

    2012年7月28日〜9日間 常陸太田市 里美地区
     女子大学生のフィールドワークでの民泊・体験情報

    ◎ 常陸太田市 「まったりー村の小さな農園」ブログ掲載記事
       
     ◎ 常陸太田市 地域おこし協力隊 「ルリエ」のブログ掲載記事
       ○ もはや恒例行事 清泉女子大学地球市民学科フィールドワーク
       ○ 学生の可能性を広げた9日間の里美生活

 
茨城県北 名産品 
   
 大子 りんご  那珂川 鮎  常陸牛  久慈そば
     
 巨峰 久慈鶏   納豆  北茨木市シラウオ
 

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