笠沙町(鹿児島県 南薩地区) 小型定置網漁体験記 |
笠沙町の野間池、子浦地区周辺では定置網漁が盛んに行われている。
また、その定置網漁見学ツアーは催されている。
今回は、昔盛んであったという小型定置網漁だが、効率の良い大型定置
網漁に目が向けられて しまい、現在では5軒の漁師さんだけとなって
しまったとのこと。
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大型定置網漁体験は全国各地で実施されていますが、小型定置網漁を観
光用として実施しているところはありません。 |
今回は、小型定置網漁を復活させ、ツアーの企画として売り出すための
試乗体験。
笠沙町観光振興課の橋口課長が「町興しの体験プログラム」にしたいと
いう熱い思いがあり実現の運びとなりました。
9月5日 晴、
少々風が出ているものの絶好の定置網漁体験日より。
笠沙町の子浦港には何艘もの漁船がゆらゆらと係留されている。
乗船前に、「風があり、水しぶきがかからないように」と船頭さん用の
合羽をお借りし、その上に安全第一、救命胴衣を着つける。
目指す、船はいつでも出発できるように準備万端。その定員6人の小型
漁船に漁師さんの手を借りて岸壁から乗り移る。
漁をするメンバーは、何と町議会議員の船長上村さん、上村町議の奥様
と、アシスタントの漁師さんと、ベテラン漁師さんに負けないという橋
口課長の4人。
他におじゃま虫の同乗者3人の合計6人。
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いざ、町役場の眼下にある子浦港から出港。
緊張と期待が交錯する。
舟は力強いエンジンの音を響かせ、風上にある
漁場に快調に向かう。
舳先から風にあおられ、波しぶきが容赦なく合
羽にあたる。
青空にはまばゆい太陽と白い雲が浮かぶ。
波のまにまに小島が見える。
覗き込むと吸い込まれそうな澄みきった青色の
海が広がる。
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出航前 子浦港 |
船酔いする余裕も無い。
子浦港から10分もするとエンジン停止、無人
島が目と鼻の先、漁場に到着。 |
漁場に到着
左 橋口課長
右 上村船長 |
早速、定置網の部屋といわれる最先端、魚が入
り込んで出られなくなる3つの部屋の網の端に
結びつけてある綱をほどきはじめる。
さすが漁師さん。
狭い船縁りでも動きは素早い。
綱の巻き込みが始まる。
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いよいよ1つ目の部屋の網が少しずつ巻き上が
ってくる。
身を乗り出して海の中をじっと覗き込む。
期待で胸がわくわく弾む。
「あっ、きらりと光る魚影が」
「おう、いるいる」と興奮した大きな声がわき
上がる。
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透き通った海から舟べりに引き寄せられた網
の中にたくさんの種類の魚が見える、見える。
2番目の部屋の網を引き上げたら、持ってきた
かごは満杯になった。
クーラーボックスに移して、意気揚々と帰港。
この日の収穫は、2つの部屋分だけで約50キ
ロを超えたようだ。
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いよいよ 網のたぐり開始 |
力一杯、船上に引き上げられた網をかごの上で
一気に開ける。ザザアーと魚が、重なり合って
かごを埋め尽くす。
大漁だ。
しまあじ、鯖、鯛、ヒラメ、おありいか等々。
さすが笠沙の海ならでは魚 体も大きく、魚の
種類も豊富だ。
大きな、しま鰺、鯖はすぐさま、首を折り、血
抜きをして鮮度を保つ。
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澄んだ海にキラリ
網に魚が見える |
港に帰る揺れる船で、何と何と、獲れたてのあ
おりいかを船長の上 村さんが「海水で墨を洗っ
て食べなさい」と差し出してくれた。
舟から波間に手を伸ばし、墨を海 水で洗い落
とし、まさにまるかじり。
身が締まっているあおりいかだ、なかなか噛み
切 れない。
やっと口の中に入れたいかを噛みしめる。
甘さと適度な海水の塩味が口の中に広がる。
これぞ海の幸。
その間に、次々と別な魚を刺身にしてくれる
「さあ、食べなさい、食べなさい」。
「ああ、残念」ここに、ビールがあればなあー。
同乗者3名、陸に上がってもしばらく興奮は収
まらない。
あっという間の所要80分の体験に大満足。
もちろん、この日の夜は薩摩焼酎を友に、獲れ
たての魚を刺身、てんぷらに、そして鍋物にし
て大宴会となった。
この感動を皆様に。
鹿児島県笠沙町が皆様をお待ちしています。
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引き上げ
大 漁 だ
見学者もお裾分け 試食 |