修学旅行の「民泊」人気上昇中 −1
1.沖縄県の修学旅行の実情
 
 ■ 09年の沖縄県内修学旅行3年連続の減  沖縄タイムス 2010.0715
      県観光商工部は14日、2009年の県内の修学旅行状況を発 表した。
 
   学校数は前年比1.4%減の2458校、生徒数は3.5%減の41万2182人
   で、校数・生徒数ともに3年連続前年実績を下回った。

   県は「新型インフルエンザの影響もあるが、少子化によるマーケットの縮
   小や他地域との競合も考えられる」と分析している。

   生徒数でみると、学校別では中学校は前年比4.3%増だったが、小学校
  が前年比22.7%減、高校6.1%減、専門学校5.8%減、大学32.3%減だ
  った。
  
  都道府県別では、東京が4万2038人(215校)と最も多く、次いで大阪の
  4万681人(220校)だった。

  2010年の修学旅行の予約状況は2476校(0.7%増)、43万3603人
  (5.2%増)を見込んでいる。

  ※ 詳細データ 沖縄県観光企画課
     http://www3.pref.okinawa.jp/site/contents/attach/22291/H21syuryo.pdf
 
            ◇                    ◇

  沖縄本島本部港からフェリー30分の離島にもかかわらず、伊江島の伊江村
  では、約160軒が民泊で年間約3万人の修学旅行生を受け入れている。
  (沖縄タイムス2010年6月30日)

  南城市、09年度の民泊受入れ人数は6,184人(南条市HPより)。
  宮古島では22校 5,500人 延べ宿泊者数が7,000人を超えた。
   (宮古毎日新聞2010年2月10日)
  (参考:2010年度予測9,500人)。

  沖縄県の修学旅行は既存のホテルに宿泊、平和学習、レジャーのパターン
  での受入減少の状況をもっと掘り下げて見てみよう。

  伊江島、南条市、宮古島の民泊の合計人数は41,684人。
  この他にも具体的な受入人数は把握できておりませんが、やんばる3村(国頭
  村、大宜味村、東村)、黒頭島、石垣島、伊是名島、読谷村などで民泊の
  受入をしています。

  3地区の民泊人数を除くと412,182人−41,684人=370,498人
    平成15年1,795校、335,859人、平成16年 2,228校、393,195人
   (沖縄県観光企画課統計)の頃の数字になっています。

   沖縄県での修学旅行入込数の減少を何とか支えているのは、既存 の観光型
  でのホテル宿泊から農林漁業体験をしながら民泊です。

  民泊人気をとらえ、新たな活性化事業として取り組んだ地区の努力の結果が
  大きく反映されてきているのは明らかです。

  2.修学旅行の背景

    修学旅行の主流は京都・奈良の寺社仏閣巡りから、時代の流れと共に広島
   ・長崎の平和学習へ、一時はスキー体験へと変遷し、1991年東京で公立高
    校の修学旅行の飛行機利用が解禁となり、 続いて1996年に大阪で解禁と
    なり、南国の海へのあこがれ、海洋レジャー体験、ひめゆりの塔などの戦史
    探訪の平和学習などのアイテムが加わり、沖縄への人気が一気に高まり、
    1996年には902校、166,620人が 2008年2,517校、430,291人、
   
    推定で関東地区、関西地区の公立高校の約25%〜30%が沖縄を希望して
    いるというダントツの人気ディストネーションになっています。

      しかしながら、沖縄の修学旅行には翳りが見え始めました。
 
     沖縄県観光商工部はその原因として
       (1) 各自治体で修学旅行費の引き下げ改定、
       (2) 原油高で航空運賃の上昇、
       (3) 競合地の増加、
       (4) 少子化による生徒数の減少     等々と述べています。
 
      一方、実情は生徒の人気にあやかり現地のホテル料金、体験料金の高値
    安定、航空運賃と共に旅費限度額が不足し、本来主流となっている3泊4
    日の日程を生徒が沖縄を望む声に押され、無理して2泊でも沖縄で実施す
    る学校が出ています。

    また、2年前から実施が決定しているにもかかわらず、沖縄を希望する学
    校が多い中で、修学旅行の時期が5月、6月、10月、11月に集中するこ
    とにより、飛行機予約が抽選、ホテルの予約が間際まで決まらないという
    状況が繰り返され、イラだちと不満を感じている先生が少なくありません。

     更なる裏事情として、各旅行会社間の競合により利益が少なく、メリット
    が低いため、目的地を他地区へ誘導する、脱沖縄の動きが見受けられる
    ようになりました。

◎ 平成21年度近畿地区公立中学校 修学旅行実施状況報告書より

関西圏から沖縄県への修学旅行費用

    ※実施時期、宿泊施設、食事内容、体験内容等で異なります。
最高額140,220円 最低額 55,143円) 

沖縄県への旅行費用 関西圏平均額  (単位:円)

費用明細

金額

全体割合

交通費         

38,068

59.1%

宿泊代     

16,243

25.2%

食事代      

,834

.8%

体験学習・入場料

,884

.6%

その他          

,788

.9%

旅行費用合計 

64,383

100.0%

 
      参考: 公立高校の旅費限度額例 
           東京都 76,000円、
           埼玉県 81,000円
  3.全国的に広がりを見せる「民泊」人気 

    埼玉県では修学旅行のスローガンとして「埼玉の子ども70万人体験活動」
   を掲げており、まさに、学校の意向と合致した内容が、自然に溶け込み、様
   々な農林漁業の実体を学び、体験を通じて地元の方々とふれあい、ありの
   ままの自然と食の安全の大切さ、歴史、文化を実感するとともに人の優しさ
   ・温もりに触れ、一生の思い出として心に残る民泊です。

    いまだに民泊に対しては、実施を躊躇している学校では、
 
    (1) 受入先が分散してしまい生徒の管理が難しい、
    (2) 受入家庭のレベルが均一化していない、
    (3) 新たな試みでの事故発生への恐れがある
   
    等の不安感から、プレゼンの対象にすることすらも拒否する学校も多々あ
    ります。
  4.なぜ民泊   

   全国各地では景気の低迷、団体客激減、ETCの割引により1日の日帰りで
   の行動範囲が広がり、日帰り客数の増加に反比例して、年々宿泊旅行客の
   減少傾向が続き、宿泊客誘致に頭を痛めています。

    その流れの中、約2年前から予約があり、予約人数の減員も少なく、単価
   も一般格安旅行客よりも比較的に高く、しかも大人数。

   こんな好条件の客層は他には見あたりません。

   そして、全国の市町村では、活性化のための起死回生の特効薬として、受
   入に際して先行投資はほとんどかからない、その地ならではのありのまま
   の姿で受入ができる民泊に活路を見いだそうと力を注ぎ始めています。

    旅館業法の簡易宿業として食品衛生法、消防法、浄化槽法など法的な基
   準にのっとり、認可を取得しているのが民宿、ペンションなどです。
 
   しかしながら、学校が求めているのは、設備が悪く、安い食材、ふれあいも
   ほとんど見受けられない、サービスとは言い難い接客、また受入のレベル
   にそぐわない割高な料金の民宿ではありません。 

    体験なども一束一からげ、観光施設さながらベルトコンベアーに乗せたよ
   うに、予定に組まれているから仕方なく「体験させてやる」という営業感覚だ
   けで受入をしている受入施設や地区が多々見受けられます。

    まさに、学校・生徒が求めているものは、農林漁家に身を寄せ、その地な
   らではの自然、文化と共に受入家庭の家業を家族の一員として手伝い、体
   験を通じて温かく接してくれる家族の方々とふれあい、絆を深めることです。

 次回は、全国各地の民泊を積極的に展開しようとしている地域の
 ご紹介をする予定です。


 ■ 募集

   東洋大学の学生達と「NPO法人ふれあいまちむら興し塾」で一緒に
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   現在、神奈川県藤野町で新市民農園「宿・借農園」で野菜栽培に地元
   の方々と一緒に携わっています。

   ご希望者はLSプランニング内事務局宛にご一報ください
 
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    グリーンツーリズム・エコツーリズ関連の町村興し情報 大歓迎!!

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    NPO法人ふれあいまちむら興し塾 専務理事
   グリーンツーリズム・町村興しアドバイザー
   有限会社LSプランニング 代表 長坂克巳

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