ゆれている旅行業界−3 誘客の道 
 
  宿泊者数が若者どころか、シニア層までの減少傾向にあり、更に、各レジャー施設では
 
  旅行代理店がエージェントレス化の波にのまれ、当てにしていた誘客も当てに出来にく

  くなりつつあり、唯一、頼れそうなのはWeb専門業者、Webの案内サイトか口コミ情報

  くらいという状況を142号と143号で述べましたが、誘客の道はまだまだあります。

 ■ 着地型宿泊・日帰りプランの造成

   旅の魅力を追求する旅行客の間で関心が高まっているのが、着地型旅行商品です。

   その地の自然、里・山・海の幸、施設、伝統文化等々を探し出し、その地に行かなけ

   ればふれられない、体験できない、食べられない、その地域住民だけしか知られてな

   い、魅力ある資源を引き出し、それを素材として旅行商品に造り上げたものです。

 T 新ニューツーリズム(有限会社LSプランニング提唱する定義) 
  
    国交省が打ち出しているニューツーリズムとは、従来の物見遊山的な観光旅行に
    対して、旅行目的を明確にし、人や自然とふれあい、体験等の要素を取り入れ、
    観光客自身が旅の舞台に立てる、新しいタイプの旅行を指します。

    テーマとしては産業観光、エコツーリズム、ヘルスツーリズム、ロングステイなどが挙げ
    られています。 (参考資料:株式会社ツーリズムマーケティング研究所)

    国交省のニューツーリズムの分類に加え、下記の新ニューツーリズムを提唱
    します。

    1.100キロツーリズム
   
      旅を計画するのに大きなポイントに挙げられるのは、交通費と目的地まで
      の時間です。
   
      高速道路のETC車の土日限定1000円割引、一部無料化などが打ち出
      されていますが、通常は遠くに行けば、交通費と時間は余分にかかります。

       一般的に、各地区・施設の担当者にマーケットは聞くと、異口同音に首都
      圏、関西圏、などの大都市と回答がかえってきます。

     当然人口も多いので、マーケットとして当てにできるものなら当てにしたいエリ
     アです。

     しかし、旅行動向は低価格安定で推移しており、旅行商品を見回すと、格安
     商品が主流となっていますが、格安商品でも料金の中の交通費の割合は50
     %近くをしめています。

     そこで、提唱します。

      先ず、ターゲットとするお客様は、交通費も所要時間が比較的かかりにくい、
     「100q圏内のお客様の誘致を目指せ」ということです。

      次に、「余裕を見ながら、ターゲットエリアの拡大を目指せ」です。

     100q圏内であれば、近い分、旅行費用の中の交通費分を少しでも宿泊単
     価や付帯消費に振り向けられる余裕が出ます。

       当然、時間を有効に使えますので、湯河原で成功しているように、退社後
     温泉地に直行するフライデーレイトチェックインプランなどが可能となります。

     一時、冬季のオフ期なのに、12月の稼働率が高かった、熱海、鬼怒川などは、
     まさに、近在の地区から退社後かけつけ、レートチェックインをし、宴会をし、朝、
     出社時間に間に合うよう に チェックアウトする という近在のお客様の忘年会の
     ご利用でした。

     遠くの幻を追う前に、足下からマーケティング戦略を見直すことが、稼働率ア
     ップに貢献できる近道です。

    ◎ 誘客プラン例
       県民デイ(県内、隣県のお客様限定の特別プラン)

   2.グリーンツーリズム
    
    農水省が95年に国がグリーンツーリズムの振興を支援する法律を制定。
 
     都市住民が農山漁地を訪れ、農林漁業体験を通して農山漁地の住民とふれ
    あい、交流を図り、各地域の活性化と定住促進に結びつける活動です。

    1)食育・地産地消
      現在の料理メニューを見直し、地産の素材を限りなく100%に近づける。
      → 地元圏内での相互消費により経済効果をもたらす。

    2)味、器、も限りなく、地元スタイルにこだわる。 
      → 都会派の田舎志向をくすぐり、地元派は愛着心を持つ。

    3)直営農園で食材を供給する。
      放棄・休耕農地の有効活用を促進するために、市民農園を造成し、その農
      園の野菜・果物を自社の原材料として供給をする。

    4)直営農園を活用して、野菜栽培、収穫体験などの誘客プランを企画する。
      更に、産直所などを含めて、野菜・果物。穀類の販路を作る。

   3.エコツーリズム   

     1)ちょっとだけでも、エコに貢献したいという意識をくすぐる。 
 
       → カーボンオフセットの導入

         (1) 旅行の際に発生する排気ガスを算定、一部、お金に換算して
            カーボンオフセットとして購入する。
            → カーボンオフセット付き旅行商品にし、販売する。

         (2) 無料駐車場
            マイカー利用の排ガスの代償として、寄付の形で呼びかけカー
            ボンオフセット券を買ってもらう。 
           → オフセットの効用と共に駐車場所有者の管理費にも充当で
              きる。
           ※ システム問い合わせJTB関東成長戦略室 048-600-2465

      2)森林保全・茶畑再生と廃材利用
        間伐、下草刈り、植林などの作業。

        → 竹細工(マイ箸作りが好評)、竹ご飯、木工のプラン作り
           相模原市緑区(旧藤野町) マイ箸作り体験 047-330-4421
      
        → 企業で保全林管理、マングローブの植樹

      3)廃油でろうそく作り
        家庭で使用済みの天ぷら油を使い、キャンドルに加工。

      4)海岸清掃 漂流物アート 
        海岸線の清掃・ゴミ収集 → 漂流物で思い思いのアート作り

   4.ヘルスツーリズム
 
     ■ 専門家、専門機関との連携での企画商品

      1)使用頻度が低い、高額医療器具を持つ病院と提携、検診ツアー
        岡山県、徳島県では海外の高所得者対象のツアーを実施。

      2)温泉の効用とヘルシーメニュー
        糖尿病検診などを取り込んだ、宿泊プラン
  
      3)イルカ・その他動物とのふれあうヒーリングツアー
    
      4)土にふれる農業体験ケア

   5.インバウンドツーリズム

 
     国交省から2003年に打ち出された2010年までにインバウンド1000万
     
人達成という、ビジットジャパンキャンペーンを展開しましたが、不況の影
     響等で、2010年1月のJTB予測では790万人程度(09年678万人予測)
     と大きく、目標を下回る見込みですが、今年に入り中国人を筆頭に順調に
     増加の傾向で推移しています。

    特に、7月1日から中国人に対してのビザの発給の所得制限を富裕層に
     限定していたものを中間層まで大幅に拡大したため、対象者が一気に広
     がり、09年度訪日中国人
数は100万6085人(内観光客48万1696人)
     を5年以内に200万人を誘致する目標を掲げており、観光関連産業に限
     らず、デパート、家電業界でも中国人の受入に対してスムーズで的確
な対
     応ができる体制を確立し、大量受入に備えています。

    参照:日経新聞 記事 2010.0807
    ■ 日本の旅行、期待は食事 外国人、すしやラーメンに「満足」

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    日本の旅行で特に満足した食事はすし、ラーメン、刺し身の順。2009年
    に日本を訪れた外国人旅行者を対象に日本政府観光局が行った調査で、
    こんなランキングとなった。

    来る前に「1番期待したこと」でも「食事」が「ショッピング」を抜いて初めて
    トッ
プになっており、グルメが日本観光の大きな魅力になってきた。

    「食事に満足した」人から特に満足したメニューを複数教えてもらったとこ
    ろ、42%がすしを挙げ、21%がラーメン、20%が刺し身を選んだ。

     これに天ぷら、うどんなどが続いた。国別に見ると、タイや英国など多く
    の国の人はすしが1位だが、台湾からの旅行者が1番気に入ったのはラー
    メン、中国人旅行者は刺し身と少し違っている。

    また国別で食事を最も期待した人が多いのは韓国、マレーシア、米国、フ
    ランス、ロシアなどで、3番目に期待されたのは温泉だった。

    調査は年3回、成田空港や関西空港などから出国する滞在期間が2日以
    上の外国人旅行者計約1万5千人を選んで聞き取りで実施した。〔共同〕

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    1)インバウンドのお客様をお迎えするにあたって。

     (1) 外国人に分かりやすいご案内
        施設内、インターネット、ご案内パンフレットを少なくとも韓国語、北京
        語、英語を含めた3カ国語以上で表示。

     (2) 3カ国後以上で対応できる人材の配置、と教育

     (3) 外国人接客マニュアルの作成

    2)インバウンドのお客様のニーズの把握

       (1) 食べ物の志向
       日本食でも、すし、ラーメン、天ぷらと、国により好みも様々です。

     (2) 温泉
        訪日の目的の期待度の3番目が温泉です。

       裸で入る習慣が無い国、中国人、韓国人などは、芸能人の温泉ルポ
       同 様、バスタオルを身体に巻き付け入浴してしまいます。


          事前に添乗員からの注意や、脱衣所に各国語で表示しても、理解
       してもらえないようです。

       特に、女性の脱衣所がびしょびしょで、日本人観光客に敬遠されてし
       まい、インバウンドのお客様お断りと宣言した旅館・ホテルも出てい
       ます。

         日本人が海外旅行に目覚めた頃に、各国に行き、マナーの悪さ
       さんざん指摘され、ひんしゅくを買ったように、文化の違いを根気よく
       理解してもらう努力と、それを見守る温情んが不可欠です。

    3)情報発信
     北海道、ニセコ地区の積極的な情報発信が功を奏して、多数のオースト
     ラリア人の誘致に成功していますが、韓国人、台湾人の間で日本のスキ
     ー場は北海道だけにしか無いという誤解をしている人が多いという話が
     聞こえてきます。

     どんなすばらしいプログラム、素材があっても海外のお客様に認知しても
     らわなければ意味がありません。

   4)地区の連携
     1施設だけのアピールではなかなか注目されにくいものです。

      そこで、その地区観光協会、商工会、輸送機関などとの連携を図り、
     ずは その地区に注目をしてもらい総合力で仕掛けを考える。


     併せて県、国の協力を仰ぎアプローチをする。

   5)フィルムコミッション
     ロケ地としての誘致はかなり有効的ですが、情報の把握が困難です。

   6)文化・関連業界との交流
     (1) 姉妹都市契約
     (2) MICE(
MeetingIncentiveConvention Exhibition
     の誘致、ができれば言うことありません。

     が、一般観光客
とは別に、限られた業界・業種に絞り込んで誘致を図る。
     例:各国のグリーンツーリズム組織、ホテル組織、各種スポーツ組織等。


 U モバイル・スマートフォン・Twitter IT利用の拡大

   
    若者の旅行離れが心配される旅行市場ですが、モバイル小説から始まった
    新たなモバイル業界の動きとして、モバイルを利用した、新たな旅行層が生
    まれつつ
あります。

     戸惑いながら対応していた航空会社のモバイルチェックインは当たり前と
    なり、旅行会社、鉄道各社などを含めた多くの大手の企業がモバイル専用
    サイトを立ち上げ、若者を取り込むためのコンテンツ作りに全力で取り組ん
    でいます。

 最近話題となっている、携帯電話向け位置情報ゲーム
 「
コロニーな生☆PLUS(コロプラ)
 と連動させ、全国のコロニー登録施設を回りポイントをゲットするツアー等が
 企画され、またTwitterを活用した、指定する人数が集まったら割引等の特
 典が受けられる「グルーポン」が一躍脚光を浴び、いまやモバイルの機能無
 しでは、年寄りを尻目に若者の行動を喚起できない時代を迎えようとしてい
 ます。

 今後は、インターネットの他に、モバイル、スマートフォン、Twitterを販売手
 法として、いかに取り組めるかによって、売上・利益が左右される日が来る
 のは間近に迫っています。


 V 最も価値ある誘客の源は アナログ「温かな気配り」
  

    どのようにIT技術、ツールが発達しようが、最後にお客様の心に響くものは
    接客に
臨むスタッフの温かな心、気配りです。

      心から喜んでお帰りいただきたいという、気持ちをお客様にいかにお伝え
    できる
かが繁栄の分かれ道です。

     施設側に都合の良いサービス体制を押しつけるではなく、常にお客様目線
    に立
ち、誠意を持って、笑顔で、スピーディに対応することを心がけることが
    重要です。

    華麗なるサービスが求められるのは一流のホテルくらいです。

    ◎  当たり前の心がけ

      (1) 笑顔をたやさず

(2) 挨拶は元気よく明るく

(3) 一声運動:お客様の要望を事前に察知できる気配り

(4) 自社の商品を熟知

(5) 自分の会社、仕事に自信と誇りを持つ

(6) お客様の要望に謙虚に耳を傾ける

(7) スタッフ同士は協力、相互信頼

  最低、7つの当たり前の心がけを続けていけば、各地・各施設を訪れたお客様
  がリピターとなって、再訪していただけるのは確実です。


  参考:

  着地型旅行: http://www.tourism.jp/glossary/na/na11.php            
  コロプラ   : http://pc.colopl.jp/pages/wl/welcome.html
  グルーポン : http://www.grouponw.com/2010/05/blog-post_4381.html 
            http://nylongirls.jp/topics/2010/07/groupon.html

 ■ 募集

   東洋大学の学生達と「NPO法人ふれあいまちむら興し塾」で一緒に
   町村興しの活動をやりませんか。


   現在、神奈川県藤野町で新市民農園「宿・借農園」で野菜栽培に地元
   の方々と一緒に携わっています。

   ご希望者はLSプランニング内事務局宛にご一報ください


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    グリーンツーリズム・エコツーリズ関連の町村興し情報 大歓迎!!

    お便りをお寄せ下さい。

    〒270-0034  千葉県松戸市新松戸3−222−203
    TEL 047−330−4421 FAX 047−344−1993
    E-mail: ls-plan@lapis.plala.or.jp

    NPO法人ふれあいまちむら興し塾 専務理事
   グリーンツーリズム・町村興しアドバイザー
   有限会社LSプランニング 代表 長坂克巳

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